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梅田で働く不動産屋の日記

塩井の失敗談⑦ ~敷地権と非敷地権ついて~

2023-06-05

こんにちは。バイリンク株式会社の塩井です。

 

本日は敷地権と非敷地権について書いていこうと思います。

 

区分所有の物件の建物謄本を見ると「敷地権の目的である土地の表示」と書いているのを見たことがある人が多いのではないでしょうか。この敷地権というのは主にマンションや区分所有のビルなどに付いていることが多く、一言でまとめると「建物と土地を分離して処分できない」ということです。土地と建物はセットで登記されており、土地だけを売却したりはできません。

 

この敷地権は、昭和58年の区分所有法改正により専有部分と土地の一体化の制度が始まり、原則分離処分が禁止となりました。この敷地権が法律で整備された趣旨としては、マンションの様な区分所有物件の場合、建物の一室と土地を分離して処分(売却など)できるようにしてしまうと土地と建物部分で権利関係が複雑になり不動産の流動性が悪くなってしまうのを防ぐためです。

 

法律が整備された昭和58年以降の物件は敷地権が付いている区分所有物件が大半ですが、築が古い物件などは敷地権が付いていないこともあり、処分する際に注意が必要です。

 

実際につい先日私が経験し、危うく決済が流れるのではと冷や汗が出まくったエピソードがあります。その案件は敷地権が付いていない区分所有の店舗事務所だったのですが、非敷地権の物件の場合は建物と土地の一体化が強制されている訳ではないので、処分する際は登記を土地と建物でそれぞれしないといけないことになります。

 

基本的には、公図と建物謄本、地積測量図、建物図面等を見て現地確認をすれば特にミスをすることはないのですが、今回私が危うくやらかしかけたケースでは、土地が二筆ありそれが一見資料では分からなかった為に一筆分の土地の登記をせずに所有権移転しかけたのです。その土地というのが、店舗事務所の裏にある空間でした。区分所有者全体の共有部分で室外機などがおいてあり、周りは白のフェンスで囲まれている空間でした。広さとしては1坪程度なんですが、まさかその部分のみがまた別の土地で登記されており、実態は二筆の土地をそのビルの区分所有者で共有しているとは想像もできませんでした。今回売主側にも仲介業者が入っており、双方物件調査もしっかり行った上で契約書を作成したのですが、まさかの見落としでした。

 

気づいたきっかけは、決済日当日に権利証を司法書士が確認した際に今回の取引で関係のない地番が記載されており、司法書士の先生がこの地番の土地はなんですかと疑問を持たれたことで発覚しました。

 

ただ、売主様も把握しておらず土地は一筆しかないと思われており、40年以上前に購入した物件のためその地番を見てもどこの部分の土地の所有権を持っているの分からない状況でした。実需の物件も合わせると何十件と決済を経験してきましたが、このケースは初めてで下手すると決済が流れるのではと焦りました。地番図を取得し調べたところ、前述した1階店舗事務所部分の裏側にある室外機をおいてあるスペースで、登記の記録を見ると区分所有部分と連動して所有権が動いていたため間違いないと司法書士の先生が判断し、売主買主双方合意の上その部分の権利もあわせて決済を実行することになりました。

 

今回はぎりぎり事なきを得ましたが、非敷地権の物件の土地調査はくどいくらいする必要があると反省する機会となりました。非敷地権の物件に関わらず土地の取引には特に注意が必要と業界の人間は、一度は言われたことがあると思いますが、私自身本当に教訓となる出来事でした。

 

不動産の世界は奥が深く極めきることは不可能なため一生勉強だと新卒で入社した不動産会社の代表によく言われましたが、正にそうだと最近よく感じます。プロの不動産営業マンとしてこれからも勉強を怠らず日々精進していきます。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。来週はサン為取引について書こうと思っておりますので、ご期待下さい。

 

テーマ名
ページ作成日2023-06-05

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