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梅田で働く不動産屋の日記
塩井の失敗談55 ~相場の変わり目~
2025-05-27
こんにちは、バイリンクの塩井です。
今回は不動産の相場の変わり目について書こうと思います。
不動産の価格というのは非常に多くの側面から形成されており、価格の決定要因が分かり辛いところがある意味儲かる職業たる所以だと感じています。株のようにチャートがあるわけではないですが、必ず不動産が動く相場が存在します。
一点ものだからと言って相場から逸脱した金額では売れませんし、かと言って客観的で明確な金額があるわけでもないという掴みどころのなさがあります。
結論、難しいといっても資本主義のマーケットである以上需要と供給のバランスで価格が形成されるという点は変わりません。供給される量が需要より少なければ相場は上がっていきますし、逆もしかりです。その均衡点が相場ですね。
この価格に大きな転換点を与える機会が稀に不動産の世界では起こるのですが、これが政治経済です。経済で言うとバブル崩壊やリーマンショック、コロナなどです。政治で言うと住宅ローン控除など政治的な背策ですね。こういった外的要因で大きく相場が変わる瞬間があります。
最近個人的に相場が大きく変わるのではと想定していることがあり、それが外国人に対する不動産取引の規制です。昨年の12月に維新と国民民主より「我が国の総合的な安全保障の確保を図るための土地等の取得、利用及び管理の規制に関する施策の推進に関する法律案」が提出されました。実はこれ2回目の提出だそうです。党として本気で法案を通したい意図が伺えますね。
法案は通っていませんが、次の選挙次第では通る可能性もあるのでは考えます。最近だと外国人に対する車の免許に対しての規制など問題が顕在化し過ぎて流石に対策しないといけない流れになってきているように思います。
ここ数年の不動産マーケットは海外投資家に支えられていたと言っても過言ではありません。タワマンや中心地の物件は特にそうですが、法案が通れば相場は一気に崩れるのは間違いないです。利回りで言うと1%から2%は変わるのではないでしょうか。また西成や島之内といった特定の国の方からの需要が高いのが要因で相場が上がっていたエリアは軒並み崩れるのは目に見えて分かります。
価格が上がり過ぎて手が出せなかった日本人が買いやすくなるという点はマクロで見るとメリットのようにも思えますが、我々不動産屋からすると出口が狭くなり難しい局面に入ります。
しかし、こういう時こそ本当の腕が試されますね。数々の難所を乗り越えて生き残っている今の業者番号二桁の先輩方はこういった外的要因に負けず上手くフィットしてきた人達ですから我々新参者も外的要因なんかでやられてはいけないです。
目の前の利益ばかりに意識を奪われるのではなく、政治経済の動向も見ながら常に小回りの利くスタンスを取る必要がありますね。
歴史が物語っていますが、変化に対応できるものだけが長く生き残れます。僕自身最近は色んな意味で思考や行動の癖が固まってきているところもあるので、常に柔軟性を意識してフレッシュな気持ちで取り組むのを意識します。