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梅田で働く不動産屋の日記

塩井の失敗談⑥ ~事業用賃貸物件の部屋止めについて~

2023-05-22

こんにちは。バイリンクの塩井です。

本日は事業用賃貸物件の部屋止めについて書いて行こうと思います。


 

以前部屋止めして、その契約がブレイクしてしまい再度賃貸付けするのに時間が掛かってしまった為、本日はその反省を活かし書いていきます。

 

部屋止めというのは、賃貸の物件でお申し込みが入った際に他の方からのお申込みを止める(受けない)ことを業界用語で言います。賃貸物件のフローとしては申込→保証会社審査→契約→引渡しという流れですが、この一番手で申込が入ったタイミグで二番手以降の方の申し込みを止めて一番手の申込人と商談を進めていくことを意味します。

 

事業用の場合も同じなんですが、居住用と違い申込みしてから契約に至るまでいくつかオーナー様との交渉事項があるケースが多いです。例えば、「改装に時間が掛かりお店のオープンまで期間が長いからフリーレントを1.2ヶ月程付けてくれないか」、「民泊の許認可を得るのに必要な部分があり、物件のインフラに関する調査費をオーナー様の方で負担してくれないか」など契約に至るまでオーナー様と申込人との間で折衝交渉が必要になるケースも多いです。

 

実はオーナー様から直接物件のリーシングをお願いされている物元の仲介業者としては、部屋止めして大丈夫かいつも悩むところなんです。また弊社自身収益物件の買取事業がメインの為、家主になることが多いので家主としても悩むところです。というのも、上記で述べたように申込みしてから交渉事が入るケースが多く、そこで話がまとまらないで契約がブレイクしてしまうことも少なくないからです。

 

不動産というのは本当に面白く、お申込みが重なることが多いです。人気の高いエリアの物件はもちろんですが、そうでない物件でも今までまったく賃借人が付く気配の無かった物件が急に立て続けに案内が入ったり、申し込みが入ったりします。よく不動産はご縁とタイミグと言いますが、時期によって急に反響のタイミングが重なり物件が売れる(賃借人が付く)というのはよくあることです。

 

なので、一番手の方の申し込みがあったからといって、止めてしまうとそれがブレイクした際に募集を止めないで、番手は関係なく条件のすぐ合う方と契約すれば良かったと後悔することになるんですよね。じゃあ、ブレイクしても、また声をかけて契約すれば問題ないのではないかと思われるかもしれませんが、これもまたご縁とタイミングが大切でその機会を逃すとお客様の気が変わってたり、他の物件でもう申し込みをしてしまっていたりします。

 

そして、不動産業者の観点からもこのケースは難しいところで、不動産の賃貸の取引には大きく分けると四者登場します。まずは、物件の「①オーナー様(家主)」。そして、そのオーナー様より物件の窓口となってリーシング活動や募集をする際の資料作成、調査を依頼される「⑵物元業者」。駅前などに店舗を構えポータルサイトでお客様の集客と営業活動を行う「③客付け業者」。最後に「④お客様」です。この四者が取引に関わってくるのですが、番手を無視して毎回申込条件ばかり優先してしまうと客付け業者にこの家主の物件(物元の物件)はお客様に積極的に提案するのをやめようと思われてしまします。

 

これは売買の取引においても同じで私自身売買の客付け業者上がりなので、この気持ちは分かるのですが、番手に重きを置いてくれる売主業者やオーナー様の物件は、安心感が違います。条件メインだとどうしても、申込みしてから横やりを他の業者から入れられるのではないかとハラハラしたり、せっかく商談を上手くまとめようと思って動きまわっていたのに、結局他の方と契約されてしまったりとなると、もうこのオーナー様や売主業者の物件はよっぽど即決してくれるお客様以外には提案しないでおこうと思ってしまいます。

 

不動産の取引というのは動く金額も大きく、賃貸でも長期間入居する訳ですから皆さん真剣になります。ただ、それはオーナー様や売主も同じで、変な人に貸したくないですし、変な人に売りたくないでしょう。だからこそ我々不動産会社が間に入り折衝交渉をしていくことに意味があり、これはAIにもできない生身の感情のある人間だからこそできることなのですが、、、

 

結論ここまで長々と書いてきましたが正直正解はないです。番手を優先するというのは不動産業界の慣習でなにか法律で決まっていることではないので、より良い条件の方と契約してもいいですし、番手を優先して契約してもいいです。

 

あえて対策を述べるとすると、事前に告知しておくといったことでしょうか。私が物元として物件を扱う際や、自社物件の担当として募集をする際は、客付け業者の案内が入る際に言うようにしています。「最近反響や案内も多いため、申し込みが近い期間で重なった際は番手ではなく条件も考慮して契約します」と事前に告知するようにしています。事前に伝えていれば客付け業者も気を悪くしないですし、双方納得して商談に入れると思いますので、ここは不動産屋としての腕の見せ所ではないでしょうか。

 

そういった意味でもオーナー様にはどの会社に依頼しても同じではなく、今後のことも考え客付け業者との関係を良好に保ちながら、契約までしっかり商談をまとめてくれる業者に依頼することが意外と重要になってくると感じていただけたら嬉しいです。

 

今日はこの辺にしたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

テーマ名
ページ作成日2023-05-22

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