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梅田で働く不動産屋の日記
塩井の失敗談60 ~京都の収益不動産マーケットの特徴~
2025-09-22
こんにちは、バイリンク株式会社の塩井です。
今回は僕が京都に出てきて感じている京都の不動産マーケットの特徴について書いていこうと思います。
京都に対して皆さんどんなイメージをお持ちでしょうか。神社仏閣が多く文化の町、学生が多い、観光エリアが豊富などでしょうか。
不動産においての特徴を言うとやはり高さ制限です。景観を維持する目的から京都はかなり厳しい高さ制限や景観条例があります。建築士泣かせの町とも言われていますが、僕からすると収益不動産屋泣かせの町と言っても間違いないです。
僕らは既存の物件を取り扱いますが、高さ制限があるせいでもちろん既存の物件も高さが低いです。そうなると収益性が低くなります。同じ土地面積でも、建物の高さがあればその分建坪が大きいので収益性が高くなるのですが、京都ではこれが軒並み低いので中々賃料を取ることが出来ません。
しかも、京都の中心地はインバウンドの影響もあり年々土地値が上がっています。なのに、京都は賃料がそれに付いてきていないというのがまた難しいところです。大阪だと1階路面店舗の賃料相場はコロナ前に比べて倍、なんならそれ以上になっているところもありますが京都では賃料の伸びがかなり鈍いです。
そのせいもあって、物件価格は土地値の上昇に伴い高くなっているが利回りは下がる一方という現象が起きています。
東京のように低利回りでも売れるエリアではありますが、それでも限界があります。それは先程お話しした通り上に建物を積めないからですね。東京だと将来的に建替えれば云々という観点でも見ることが出来ますが、京都では中々それが難しいです。
しかし、良いところももちろんあります。デメリットはメリットにもなるとよく言われますがまさにそれです。高さ制限のお陰でそもそも賃貸物件の供給量が少ないです。上に積むことが出来ない分、供給量が抑えられ過剰に空室が出るということが起こりづらいエリアです。
これは投資家からすると嬉しいポイントではないでしょうか。どれだけ良いエリアでも供給量が需要を上回ると価格が下がってしまうというのは資本主義経済の原理原則です。米騒動が良い例ですね。そういう意味では自分の保有する資産(物件)の価値が下がりにくいエリアという点で非常に投資の優位性があると言えます。
このエリアの特徴をまとめると、「大儲けは出来ないが大きく失敗することもない安定した収益を得られるエリア」ということですね。
今回はざっと走り書きになりましたが、阪神間、大阪、京都と近畿のメインエリアで営業してきた僕だからこそ感じる点を今後書いていければと思いますので、是非引き続きご愛読ください。