- トップページ
- 不動産投資ア・ラ・カルト
- 管理費が高い物件の特徴
不動産投資ア・ラ・カルト
管理費が高い物件の特徴
こんにちは、バイリンクの小泉です。
最近は台風の影響か?涼しい日がありますね。季節の変わり目と言うと気が早いかもしれませんが、なんだか秋の気分になってきました。
さて、今回は管理費が高い物件の特長を書いてみます。
例えば、皆さまが区分所有の物件を検討する際に毎月の管理費と修繕積立金の額は必ずチェックされると思います。テナントから入る賃料から管理費と修繕積立金等の必要経費を差し引いた金額が手取りの賃貸収入になりますので、当然関心の高い部分だと思いますが、管理費が高いビル(マンション)にはそれなりの理由やメリットもあったりします。管理費が高い事にネガティブなイメージしか無い方が多いと思いますが、たまにはフラットな目線で物件を見てみるのも意外な発見があって良いものかもしれません。
メリットとデメリットという書き方をすると、デメリットは管理費が高い事ですので、これから先はメリットと言いますか、その管理費でどの様な活動がなされているのか、という事なのですが、代表的なものから特長を挙げてみましょう。
1.管理人や設備担当者が常駐している。
管理費の高いビル等では通常の管理人だけではなく、様々な専門家が常駐しています。
電気系統が正常に機能しているか、排気ダクトに異常がないか、テナント側が内装工事や設備工事を施工する際に容量や配管経路、資材の搬出入の経路等を知りたい場合の問い合わせにも答えてくれます。大抵のケースでは図面も保管しており、設備関係の事はほぼ全て把握しています。(それが仕事です。)
この設備関係の担当者がいるかいないか、ちゃんと仕事をしてるかどうかは実はかなり重要です。この部分が頼りないと新しく入居するテナントが設備工事でつまずく事になり、入居が遅れたり、賃貸借契約が出来なかったりしますので、賃料収入に直接響く部分です。テナント側工事業者の知識レベルは非常に当たり外れが大きく、近年の人出不足の影響かもわかりませんが、経験の浅い担当者が多い印象です。
テナント側工事業者が頼りない人だった場合、ビル側設備担当者も頼りなければトラブルが起こる可能性は大です(笑)強引に工事してトラブルを起こすか、途中で頓挫して賃貸借契約も破談になるかそのどちらかです。
第3の選択肢として、仲介業者(家主側の管理会社)が間に入って内容を調整する、という方法がありますが、その場合は家主側管理会社の担当者が経験豊富なケースに限られます。
電気容量ひとつとってもすぐ答えられるか、図面があるか、それともいちから調査が必要なのか、対応スピードも含めてビルによってバラつきがあります。いちから調査が必要であればその調査結果は保管しておくべきですね。
2.共用部分に空調が効いている。
ある程度の規模のビルですと共用廊下やエレベーターにも空調が効いており、その空調費用は管理費に含まれている事が多いですね。
オフィスビルでは建物の規模イコール建物のグレードになる事が多いので建物の規模感は重要です。当然賃料にも反映されますし、テナントによっては一定以上の規模限定という探し方をする企業もあります。
規模の小さなビルでは共用空調が無い事が多いのでその分管理費が安いのは当たり前と言えば当たり前です。
3.専用部分の空調費用も管理費に含まれている。
ビルによっては各区画の専有部分内の空調費用も管理費に含まれている事があります。セントラル空調と言って予め時間が決められている全体空調である事が多いのですが、それでも月々の負担額で言えば相当な額です。
個別空調も併用するパターンですと個別空調の分はテナント負担、というケースが一般的です。また、空調機はビル側の設備である事も多いのでその場合は経年劣化での故障はビル側で修理交換してくれます。それも管理費に含むという考え方ですね。
4.建物の規模が大きい
建物の規模が大きいと災害防止の観点やインフラ関係のチェックにコストがかかりますので管理費が高くなりやすいです。その分エレベーターが多かったり何かあった時の対応に専門の担当者が常駐したりしてますので安全性が高い、という事は言えると思います。
また、上にも記載しましたが建物の規模は大きい方が相対的にグレードも上がりますのでテナントから見た魅力も高いと言えます。
5.清掃が行き届いている
管理費が高いビルはそれだけ管理に力を入れていて、清掃なんかも行き届いている事が多いですね。(稀にそうでも無い事もありますが。)
この部分に関しては小さなビルだと面積あたりの清掃コストが高くなりますので、延床面積の大きなビルの方が清掃コストの単価は下がります。小さなビルだと清掃が不十分な事が多いのはそれも理由のひとつでしょう。
清掃が行き届いてるかどうかで賃料が変わるかどうかと言われると直接的な影響は限定的な気がしますが、そもそも清掃が不十分なビルはそれだけでアウトです。賃料が安ければ良いというものでは無いのでシビアな様ですが、物件検討の土俵に乗らないと思った方が良いかもしれません。十分条件ではありませんが最低条件です。
以上思い付く限り挙げてみましたが、上記のの5つで代表的な部分はカバー出来たのではないでしょうか。
全体的に管理費の高いビル(マンション)は規模の大きな建物である事が多く、グレードも小規模な建物よりも高い傾向にあり、取れる賃料も相対的に高いと言えるでしょう。
リスクの部分で言えば固定費が高いので空室状態が長引くと痛い、という事ですね。
固定費コストは空室リスクとの兼ね合いになりますから空室リスクが低いと判断出来ればその分固定費の部分は目をつぶってもバランスがとれると言えるかれませんし、空室リスクが高ければその分利回りが高くなければバランスがとれない、とも言えます。
ただ個人的には利回りが高くても空室リスクが高い物件を顧客に買ってもらいたくはないですね(笑)
私運用は得意な方ですけど、正直言うとどうしようもない物件はやはりどうしようもないんですよね。まぁそれでも出来る事はありますけど中々しんどい仕事になります。儲かりませんし(笑)
まぁでも楽勝な物件だけ扱ってぬくぬく仕事するというのもなんか違う気がしますので、たまには自分のスキルアップのために難しい物件の運用もやってみたい気持ちはあります。その自信が時々命とりになるのですけどね(笑)
今回は以上です。
今日は日曜日なのでこれからジムに行ってから戻ってきて契約書作ろうと思います。
それでは来週(今週?)も宜しくお願い申し上げます。
小泉
- 事業用建物賃貸借契約における注意点〜工事区分編
- オフィス需要の予測〜2022年10月以降
- 入居者募集業務の注意点〜電気編〜
- 成約に苦戦する場合の対処法①
- 今後のトレンド予測
- 不動産販売のコツ
- 賃貸契約における融資特約
- 大阪駅前第1ビルのオフィス賃料相場
- オススメの特約(ゴミ処理費用に関する特約)
- 賃貸募集のポイント~図面編~
- オススメの特約(店舗シャッターとエアコン編)
- 保証金返金のタイミング
- 賃料の値上げ交渉(2)
- オススメの特約(解約時の原状回復)
- オススメの特約(消費税増税時の賃料について)
- 管理費が高い物件の特徴
- キャンセルを減らす工夫(賃貸借契約)
- 賃料の値上げ交渉
- オススメの特約(解約通知後の案内について)
- テナント募集時の内見立会い業務
- 店舗物件・事務所物件のデメリット~空室リスク編~
- 店舗物件のメリット(テナント解約編)
- 入居者募集セールスの重要性
- ノンバンク系金融機関との付き合い方
- テナント募集の小ネタ~内覧会の開催
- 良いお客様(1)
- 滞納家賃回収の要点
- テナント募集業務の要点
- バイリンクのリノベーション
- 業界内でのマンション(ビル)のイメージ
- まずは買うこと
- 管理組合への工事申請
- 最近の投資トレンド
- 賃料の値上げ交渉について
- 優秀な不動産会社とは
- 価格交渉について
- 店舗・事務所物件のメリット・デメリット(1)
- 店舗・事務所物件のメリット・デメリット(2)